ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)は乾燥地帯に生息するヤモリで、日本の気候にそのまま適応できるわけではありません。特に重要なのが「保温対策」です。適切な温度を維持できなければ、食欲不振や代謝低下、最悪の場合は命に関わることもあります。
この記事では、普段の飼育で実践すべき保温対策をまとめ、季節ごとの工夫や必須アイテムを紹介します。
レオパ飼育の理想温度
まずは基準となる温度を確認しましょう。
- ホットスポット(暖かい場所):30℃前後
- クールスポット(涼しい場所):25℃前後
- 夜間の最低温度:22℃程度を下回らないようにする
レオパは変温動物のため、自ら体温を調整できません。ホットスポットとクールスポットを作り、移動できる環境を整えることがポイントです。
保温対策の基本アイテム
パネルヒーター
- ケージの下に設置し、床からじんわり加熱する器具。
- 常時稼働で安定した保温が可能。
- ケージ全体ではなく半分程度に敷くと温度勾配を作れる。
暖突(上部ヒーター)
- ケージ上部から赤外線で温めるタイプ。
- 広範囲をしっかり加熱でき、冬場の必須アイテム。
- サーモスタットで制御すると温度管理が安定する。
セラミックヒーター
- 光を出さずに熱だけを放射するタイプ。
- 夜間の保温に最適。
- 小型ケージなら暖突より扱いやすい。
サーモスタット
- ヒーターのON/OFFを自動制御する必須機材。
- 設定温度を超えると自動停止し、低温時に再稼働する。
- 「温度計とセット」で導入すると安心。
季節ごとの保温対策
春(3〜5月)
- 昼夜の寒暖差に対応する時期。
- 日中は暖かくなるため、パネルヒーター中心で十分。
- 夜間は急に冷え込むため、サーモ付きセラミックヒーターを追加して安定させる。
夏(6〜8月)
- 日本の夏は高温多湿で、逆に「冷房で温度を下げる」ことが重要。
- エアコンで室温を28℃前後に保ち、ホットスポットは自然に30℃前後に。
- ヒーター類はオフ、もしくは最低限にする。
秋(9〜11月)
- 気温が下がり始めるため、早めに保温器具を稼働。
- 夜間は20℃を切ることがあるので、パネルヒーター+セラミックヒーターを併用。
- 昼間はまだ暑い場合があるため、冷房との切り替えが必要。
冬(12〜2月)
- 一年で最も厳しい季節。
- パネルヒーター+暖突(またはセラミックヒーター)を常時稼働。
- 部屋全体もエアコン暖房で23〜25℃に維持すると安定。
- サーモスタットで自動制御し、過加熱を防ぐ。
保温対策のポイントまとめ
- 温度計を常に設置して、数値で確認する習慣をつける。
- ホットスポットとクールスポットを作り、レオパが自由に移動できる環境を整える。
- 季節に応じてエアコンを併用し、ケージだけでなく部屋全体の環境を整える。
- サーモスタットを使い、自動管理で安定性を確保する。
まとめ
ヒョウモントカゲモドキの保温対策は、単に「温める」だけでなく、温度の安定と移動できる環境がポイントです。
四季のある日本では、夏は冷房、冬は複数の保温器具を組み合わせるなど、時期に応じた調整が欠かせません。
日々の温度チェックと機材の使い分けで、レオパに快適な環境を提供しましょう。